カモ鍋食べるくせに

山形盆地のサイクリングは東西に進めばすぐに山になってしまう。

今日は西の山に向かってじわじわと上る。

ヒーヒー上る。

山を越える体力はないので山の麓の集落を、山際を進む。

狭い田畑や溜池が点在している。

 

そんな中、通りかかった小さな池でカモが暴れている。

自転車を降り見ると

池のネットに羽の先が絡まって飛べない状態。

もがけばもがくほどに食い込んでいる感じ。

ネットの糸を探ってみたが複雑に絡まっていて

切るしかない。

でも勝手に切れないし、切る道具もない。

 

遠くから軽トラがやってきた。

立ちはだかって停め、カモの惨状を見てもらい

なんとかしてくれと懇願してみた。

 

2人のJA職員は、自分たちはどうにもできないから

事務所に帰って所有者を調べ連絡すると言う。

 

なすすべもない。

カモはもがいたり休んだりして

哀れそのもの。

自分を見るようだ。

 

池のものを獲ろうとして引っかかったんだから

意図した通りになったと言うことか?

罠だったのか。

 

自分も鴨肉をうまいうまいと食するくせに

このカモが哀れで仕方がないなんて

全く勝手なもんだと

漕ぎながら思う。

 

あのカモはどうなったのだろう。

偶然にも糸がハズレ飛び立ったか。

カラスやトンビにでもやられたか。

所有者に鴨鍋にされたか。

死骸のまま放置され続けるか。

 

考えただけで暗くなる。

当分そちらには行かないようにしよう。

何かが情けない。

 

それでも桜は咲き始める。

この枝垂れだけ咲いていた

かもの姿と桜がだぶる春

気鬱だ。

精神科に行ったら

老人性鬱、と診断されるんじゃないか。

ついでにフゲンビョウ確定。

💊くれ。💉で治るなら治したい。